大型ホームセンター

 抗がん剤の点滴を受けないで一週間過ぎて、体調はまあまあだが時々神経痛のような痛みが足に走るし相変わらず手足の痺れは続いている。

 そう遠くない兵庫区の海岸沿いに大型ホームセンターがあると聞いたので一昨日出掛けてみた。 姫路の大型ホームセンタームサシほどではないがまあまあの規模の資材館などもあり、木材の加工室も備わっている。 嬉しいことには外部から持ち込んだ材でも加工はOKということなので、近々ドア用の木材を持ち込んでカットしたりプレナーを掛けたりしようと思っている。
 それにホームセンターなのだが中には結構広い食品売り場もある。 既存の大手スーパーなどとは違い食品売り場は全体に統一したコンセプトなどなくて、どこか雑然としている。 どちらかと言えば最近よくある業務用スーパーに近い雰囲気だがそれとも微妙に違う。  それぞれの部門の納入業者がいて、それぞれブースを借りていて、めいめいがそのブースの中で勝手に品物を並べているという感じかな・・・とにかく素人っぽいガチャガチャした品揃えと雰囲気という感じである。  当然場違いなおかしなものも置いてあったりするが、意外な掘り出し物も見つけることが出来る。  つい最近NHKの番組<クローズアップ現代>で、不況の現在にありながらも売り上げを伸ばし健闘しているスパーマーケットの特集をやっていたのを見た。 たとえば味噌だけでも500種類揃え多品種な品揃えで売りを伸ばしているスーパーとか、アルバイトやパート店員を減らし正社員を増やして、店舗内で各部門で仕入れを含めて店員に全責任を持たせて成功している店舗とかが取り上げられていた。
 ここのホームセンターの売り場のこのような雑然とした雰囲気は決して悪くなくて、かえってオフ好みである。 買い物を楽しむという意味では、同じような店が多い金沢の近江町市場などはオフのもっとも好きな市場である。 つまり魚屋とか八百屋とかが多数あってそれらをぶらぶら見てまわって、見てまわった後この店では鰯が安い、ナマコはここでとか、同じ魚でもそれそれの店をまわって買って行くのが好きである。
 十年ほど前仕事を辞めてインドや東南アジアへ一人で出かけぶらついたことがある。 ベトナムとかタイとかへ行っても、いわゆるお寺やお城などの観光スポットなどは全然興味がなくて、一番行きたいところは小さな小売店舗が多数集まっている市場なのである。 大勢の人がうろうろしている市場の中をぶらぶら歩いて見て回るのが大好きで、そこへは何度行ってもアキが来ない。 市場を通してその国の人々の生活というか暮らしぶりが何となく見えてくる。
 ベトナムではホーチミン市ベンタイン市場へよく出掛けた。 その内に売り場のおばちゃん達と顔見知りになって、言葉は通じないが会えばお互いに笑顔をかわすようになって、仕舞いにはお茶をご馳走になったりしたこともある。
 ホームセンターで買って帰った八朔、豆腐、ホワイトマッシュルームなどは安くてお買い得だけでなく味も美味しかった。