安定化へ

 昨日は暖かい大寒の入りだったが、今日は寒気も入り本来の寒さに戻ったようだ。 寒い時は鍋料理に限る。 夕飯はあんこう鍋の予定です。

 オバマ米大統領は21日、金融機関の規模や業務範囲を大幅に制限する新たな金融規制改革案を発表した。
 金融機関の規模拡大を抑えるため、預金などの負債額に一定の制限を導入するとともに、顧客からの依頼のない自己資金を使ったトレーディングといわれる証券売買の制限や、銀行によるヘッジファンド投資ファンドなどに資金を提供することの禁止などを骨子てしている。 大統領は「金融機関は顧客に奉仕するという使命から逸脱することを容認できない」とこれまでの経営姿勢を厳しく批判して、「米国の納税者を守るためにも、金融機関によるヘッジファンドなどへの危険な投資を許してはならない」と強調したとある。

 もしこの規制強化案が成立するとレーガン大統領時代の80年代以降、規制を緩和して金融自由化を推進してきた米国の金融行政が大転換されることになる。
 19世紀は「自由主義の世紀」と呼ばれたように、古典主義経済学の自由放任主義思想が支配した世紀だったが、1930年代に大恐慌の嵐が吹き荒れ、1936年ケインズが「雇用利子および貨幣の一般論」を出版し、いわゆるケインズ革命が起こった。 ルーズベルト大統領がニューディール政策を行い、その成功もありそれ以降資本主義がようやく安定性を取り戻した。 だが70年代にはフリードマンなどの古典派経済学が再び盛り返して、各種の規制が経済の発展を阻害していると主張し、レーガン大統領は経済政策も自由放任主義の方向に舵を切った。 そして効率化を旗印にして多くの分野で規制緩和が進められ、あらゆるリスクを証券化してさらにその証券のリスクもさらに証券化していくという金融革命が全世界をおおい尽くすグローバル化が始まった訳だ。 たしかにクローバル化は資本主義の効率化を進め、世界全体に経済成長をもたらしたが、同時に不安定化ももたらし、その結果がリーマンショックとして顕在化し経済は世界同時不況に突入した。 今回の世界同時不況で資本主義において効率化と安定性は二律背反していることが明らかになり、アメリカはじめ世界各国は再び成長を犠牲にしてでも安定化の方向に舵を切りなおそうとしていることになる。