循環器の医師

 半夏生、今年もすでに半ば梅雨も折り返し。 昨日病院を受診した。
 採血の結果は大きな変化はなかったが、IGG値は2011→2110と少しだけ上がっていた。 これは前回の数値で、サリドマイドを100ミリから200ミリに増やして2週間後の結果である。 あれだけ副作用で苦しい思いをしたが結果は逆にやや増加であった。 再び100ミリに戻してからの2週間後の結果は次回の受診時に分かるが、下がらずともせめて横ばいであることを願っている。 その他、目に付くところでは感染を示すCRP値が3・7→4・6とジワリと上がってきているし、腎臓の傷みを示すクレアチニン値も1・14と少し上がってきている。 その結果だろうか尿中の蛋白が70と増えている。 医師に降圧剤のプログレスを飲むのを勝手に中止した先日の顛末について語ると、心臓にトラブルが起きると治療どころでなくなるので、循環器科への受診を言われそちらを受診する。 心電図、階段登りをした後の心電図、心エコーなどの検査を受けて循環器科を受診する。 それにしても運動負荷心電図という階段登りには参ってしまった。 昨年の9月に再発してから運動らしい運動はしていない、外へ出るのは病院を受診する時ぐらいだし筋肉がかなり萎えている。 数分間凸型の階段をテンポよく上り下りする運動をしてから心電図を計るのだが、最後はハァハァいうぐらい息が上がってしまったし、膝の関節あたりが痛み出した。 循環器科の医師は細身で視線が鋭い女医さんで、身体のどんな小さな変化でも見逃さないぞと注意を張り詰めているという感じがして、この医師は信頼できるぞと一目見てそのように思った。 検査の結果の心電図やエコーの画像を一年前のものと比較して見ながら、狭心症などの心配は今のところありません、ということである。 今回の症状は多分一過性のもので、今の時期体内の水分不足で脱水症状が起きて、血液が粘調になって心臓に負担が掛かるので、なるたけ意識して水分を取るようにしてくださいとのことであった。 そしてプログレスは関係ないと思うが一応処方から外しておきます、ということになった。 嫁さんはこの女医さんとはすでに顔見知りであった。と言うのも嫁さんの母親が一昨年乳がんで入院して手術をした時に、関係する医師がカンファレンスの場で手術に疑問を出したのがこの女医さんだったという。 母親は長年の糖尿病で片足の血圧がほぼゼロに使い数値しか出ていなかったからだそうだ。 そこでいろいろ再検査した結果、心臓の動きは年
年齢の割りにまだまだ強いし、乳がん施術は局部が浅いので強い麻酔を使わないので女医さんもゴーサインを出すことになった。 結果はガン細胞は取ったのだがリンパ節に小さな転移がいくつか見つかていてそれが元でと年齢もあり翌年亡くなってしまった。 帰りの車の中で、あの女医さんは40歳を超えていると思うが、女を棄てたようなナリフリ構わない感じからして独身だろうなぁと言うオフに対して嫁さんは、そうでもないのよ中学生ぐらいの女の子供さんがいるのよ、という返事だった。 嫁さんはたまたま女医さんが書いている手記を読むことがあり、それを読むことでいろいろ知ることになったという。 それによると彼女の夫となった人は医学部時代の同級生で、仲間内からも信頼が厚い男だったらしいが、現場に出て循環器の臨床医を始めて一年目ぐらいにガンが見つかった。 血液系のガンで、悪性リンパ腫である。 治療で移植などもおこなったらしいが進行が早く数年経過して30歳過ぎで亡くなってしまった。 その夫にガンが見つかり、治療している闘病中に彼女は今の子供の妊娠したらしい。 そんなわけで子供はまだもの心がつく前に父親はなくなったことになる。 その子供も今は中学生で、両親と同じように医師になることを目指して勉強に励んでいるということらしい。 夫が亡くなるまでどちらかといえばチャランポランな生き方をしてきたと本人は言っているが、その後は目覚めたというか、真剣に医療に向き合うようになったと言うことである。 その真摯さはちょっとした説明にもよく現れていて、静かで分かりやすい話を聞いているだけで納得してしまう力があった。