ワールドカップ

 抗がん剤サリドマイドが200ミリから100ミリに減らされたのだが、体調は相変わらずよくない。 とにかく身体がだるいし、頭がぼおっとしている、 まさに乗り物酔いの時の気分であるが、ここのところ唾液といっても生唾だが、あふれるように出てきている。 以前入院してエンドキサンの大量点滴を受けた後も、唾液が大量にでたことがあった。 その時の唾液はスッパイ唾液で気持ち悪くて飲み込めなくて、テッシュに吐き出していたが、一晩でテッシュ一箱使うほどの量だった。 今回はスッパイということはないので飲み込んでいるが、あまり気持ちのよいものではない。 化学療法で使われる薬は薬というもののその正体は毒である。 がん細胞に効くが同時に身体本体も変調をきたしてしまう。 がん細胞の増殖を抑えてくれてはいるが、徐々に徐々に身体を蝕んできている。
 昨日の夜サッカーのワールドカップオランダ対日本の戦いをTVで観戦した。 ここ何年かスポーツ観戦はほとんどしていなくなっている。 興味がなくなったと言うのが理由といえば理由だ。 たまたま昨日は時間帯がよいのでTV観戦した。 勝敗は別として、率直な感想を言わしてもらえば面白くない試合だった。 日本の対戦相手のオランダは優勝候補の一角といわれているチームらしい。 現在のヨーロッパの強豪チームというのは押しなべてオランダのようなチーム作りをしているのだろうなぁと思った。 言ってみれば負けないチーム作りと言えばよいのだろうか、最小の得点をしてそれを守りきって逃げ切るというチーム作りである。 得点はフリーキックコーナーキックからのセットプレーで楽々と稼ぐシステムティックなサッカーとも言える。 その結果試合には勝っても面白みの欠けた試合となる。 その点個々人の技で相手陣を崩すことで得点することを身上とする南アメリカのアルゼンチンやブラジルなどのチームの試合はサッカー本来のエキサイトするものを持っている。 サッカーは集団的な格闘技と言われるが、それこそがスポーツ本来の醍醐味であり、その中で個人の技術や技量が神々しく光って見えるのである。 たとえ負けてもあの技量には負けても仕方がないなぁ、となってさらにそれを超えるべく自分の技を磨くために新しい挑戦を始める。