順調

 熱が下がった。 昨夜は37・2度が最高であった。 また今日の採血の結果CRP値は3・4と順調に下がってきている。 明日が骨髄穿刺(マルク)で、その翌日の金曜日の採血の結果が悪くなければ、多分めでたく退院となりそうである。 熱も上がらないので一日中病院のベッドに横になっているのはきわめて退屈である。 入院前にアマゾンで買った本『銃、病原菌、鉄』という本を読み始めている。 この本は、なぜ人間社会の歴史は、それそれの大陸によって異なる経過をたどって発展してのだろうか、という疑問をテーマにして書かれた作品である。 
 それと入院の前日に発売された村上春樹の『1Q84③』もアマゾンで買った。 これはすでに嫁さんが先に読み始めている。 この作品は①②を読んだ後、当ブログにオフの感想を簡単に書いた「メロドラマ」(09・6・21)が、基本的な構成は若い男女二人の純愛ドラマ、少し昔風の言い方をすればメロドラマと思って読んだ。 それを幹というか、基本にしてそこへ時代背景やカルト教団、つまり空気さなぎ、リトル・ピープルなどの色々な枝葉が付いて構成されている。 それを幹と枝葉を逆に読んでしまうと、この小説はとらえどころがない話になってしまう。 しかし②の終りで、その純愛の一方のヒロインが死んでしまった・・・だとしたらヒロインが幽霊にでもなって復活してこない限り、この先どんな展開があるのだ! と③の発売を前にしてオフは一人腹を立てていた。 ところがこの作品のほんのさわりの部分を読んだ嫁さんは言うには、「死んでいないのよ!」  エエッ???である。 そのことを確かめたくても今は下の息子が持って帰ってしまって手元にはない。 まあ、それを聞いた時にまず頭に浮かんだのは韓流ドラマであった。 韓流ドラマの場合、超リアリズムというか、現実にはちょっとありそうもないかなり強引なストーリィ展開を平気で使うことがママある。 その時はエエッ!何だ、何だ!となるのだが、そのまま物語を強引に展開していくと、違和感をおぼえたはずの箇所の屈折がその後の展開でどうでもよくなってしまうようなことがよくある。 それに村上作品はストーリーが劇画的にビジュアルなイメージで組み立てられていて、それを文章化して書かれた作品・・・と少し前にもブログに「劇画的な・・・」(10・3・23)書いたと思うが、そうであるならこの先何が起きても少しも不思議でない、まさに何でもありなのだ。 そう捉えるなら嫁さんの次に村上作品を、つまり文章で書かれた劇画を読むのが今からとても楽しみである。