自家末梢血幹細胞移植

 ここのところ体調については書いていなかったが、じつはあまりよくなかった。 先週末に来た友人の一人はみんなで写した画像を送って来て、元気なオフに逢えてよかった、と書いてきている。 たしかにその中に写っているオフの顔や姿を見ても決して体調が悪いようには見えない。
 今週に入ってから夜になると熱が出て、熱は毎夜38度台にまで上がる。 そこで今週はじめからレスキュウーでもらっているクラビットという抗生剤と、熱が高い場合の解熱剤カロナールを使用していた。 熱が出るだけでなく、夜中に寝汗をかいてパジャマがべットリ濡れる。 一晩で4〜5回パジャマの着替えをする。 朝になると寝汗をかくせいか、身体も軽くなった感じがして、たしかに熱は下がっている。 昨年亡くなった嫁さんのお母さんも夜になると熱が上がって、入院先の看護婦さんが体温計を見ながらボケたお母さんに、あなたって、夜になると燃えるのね、と言っていたという話しを、パジャマを着替えながら思いて出しては苦笑いしていた。
 昨日は診察の予定日はなかったが、病院へ電話を入れて予約を取り受診した。 採血の結果、白血球→54、赤血球→334、血色素→10・4、血小板→12・3と決して悪い数値ではなかったが ただし感染を示すCRPの値が7・9(標準値で0〜0・5)と医師も唸るほどの高い値が出てきた。 ステロイドなどを使って免疫力を抑制しているので、身体が感染に弱い状態が続いている。 いったん何かの菌に感染するとまたたくまに広がる。 一番怖いのは、この状態で間質性肺炎などを起こして肺がやられると、手がつけられなくなってしまうことである。 それにしてもトータルプロテインとかA/G、アルブミン値も低く、病気の再発が起きているのではなさそうなのでホッとする。 抗生剤が新しくなった。 明後日、血液中のグロブリン、IGGの検査があるので、いずれにしろさらに詳しい結果が出るだろう。
 熱が出ているのは身体の中で菌と抗体が戦っている結果で、無理やり解熱剤で下げることはあまり良くない、という意見がある。 たしかに一理あるが、高熱の場合はそうも言っておれない。 どこからが高熱かという問題があるが、一応38度を超えるのが目安だろうと思う。 だが同じ38度でもその人個人でしんどさがかなりバラツキがある。 オフの場合熱に強いほうなので、一応38・5度を超えて、しんどかったら、と言うのを目安にするつもりだ。 よって昨日は解熱剤を使わなかったが、寝汗はこれまでの半分がらいだった。

 サイエンスニュースに  <非血縁者からも「末梢血」移植 白血病治療で新指針>
 ≪骨髄移植推進財団は8日までに、白血病の治療のために、健康な人の血液(末梢血)から、血液のもとになる造血幹細胞を取り出して移植する末梢血幹細胞移植について、これまで血縁者間に限られていた移植を、非血縁者間でも行う方針を決めた。厚生労働省の了承を得た上で、今年10月から実施したい考え≫
 エエッ!こんなことが、今まで承認されていなかったの・・・知らなかったし、驚きである。 オフは末梢血幹細胞移植(タンデム)を受けている。 もっとも他人からではなく、自家末梢血幹細胞移植であるが・・・。これは第一段階として、エンドキサンという強い抗がん剤を点滴して、骨髄の働きを抑制すると同時に血液中ののものを殺す。 すると白血球などほぼ全滅してゼロ近くに下がる。 そこへ骨髄の働きを促す薬を入れ、新しく作られた末梢の血液を透析機で採取し、その中から造血幹細胞を取り出し冷凍保存しておく。 後日体調の回復を待って、抗がん剤アルケランなどを超大量投与(超致死量の抗がん剤)を点滴し血液細胞を根絶する。 この時白血球はゼロになるのでクリーンルームに入る。 保存しておいた造血幹細胞を体内に戻す。 しかしこの場合末梢血に癌に侵された細胞が少しでも含まれてしまうと、後日再発してしまう。 案の定オフは半年ぐらいで再発してしまった。 これが癌に罹患していない他人の血液だったら再発はなかったかもしれない。 キツイ治療で、受けないと死ぬと言われても二度と受けたくない治療だし、体力から見て二度目は医師も行わない。
 ≪末梢血幹細胞移植は、骨髄移植と違い提供者(ドナー)に全身麻酔をする必要がないのが利点。海外では白血病治療の主流となっているが、国内では、血縁者間に限り実施されているため、年間500件程度にとどまっている。 同財団は運営する日本骨髄バンクへの登録者の約36万人の中からドナーを選ぶ考えで、年内は施設を限定して1〜2件実施、来年は15〜20件を実施する方針。5年後以降は160施設程度での実施を目指す。 末梢血幹細胞移植を行う場合、ドナーには移植前に幹細胞を増やす薬剤を投与するが、2002年にドナーの女性が白血病を発症して死亡。厚労省研究班が、幹細胞を提供した3264人を追跡調査した結果、薬剤と白血病の関係は否定できると結論付けていた≫
 これまでの厚労省はあまりにも<羹(あつもの)に懲りて膾(なます)をも吹く>的対応だったと思う。 公務員はリスクを取りたくないからだと言えばそれまでだが・・・白血病患者さんには朗報である。