白血病のニュース

 抗がん剤の点滴を受けにがんセンターへ出かけた。 採血の結果、白血球が39、血小板が7・5と点滴のできる範囲の数字で点滴を受けるが、下痢症状が続いて辛いと言って薬の量を少し減らしてもらった。 まあ次回の6クール目からは量は減ることになっているので、それを少し早めただけのことになる。 今日は嫁さんが運転してくれたが、運転しながら今急に汗が吹き出したなどと言いながら何とか夕方には帰り着く。

 たまたまだろうが4日のサイエンスニュースに白血病に関するものが二件あった。
 まず一つ目は慢性白血病に関するもので、金沢大学のチームが慢性白血病の再発の仕組みの解明をして、新たな治療法の確立につながる可能性がある、というものである。
 http://www.sakigake.jp/p/news/science.jsp?nid=2010020301000548
 血液の白血球のガンである白血病は長く不治の病とされていたが、最近は特に慢性白血病に関してはグリベックという新薬が開発されてからは不治の病ではなくなってどちらかと言えば治る病気になっていた。 そうは言うものの再発がないかといえばあったのだが、今回その再発に仕組みがさらに解明され、新たな治療法が確立される糸口が見つかる可能性は大きい。

 またもう一件は病状が急速に進行する急性白血病に関するもので、理化学研究所が急性白血病の原因たんぱく質の解明したというものである。 
 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20100204ATDG0303J03022010.html
 一連のたんぱく質の解明により再発を防ぐことや副作用の低下にもつながるという。 特にこちらの急性白血病に関する原因たんぱく質酵素の特定は慢性白血病に比べて良い薬がなかった急性白血病に関して新たなよい薬や治療法が見つかることに繋がりそうで、この病気に苦しむ人々に光明を与えるものになるだろうと思われる。 
 一昨年から昨年に掛けてオフは半年間兵庫県立がんセンターという病院に入院していた。 病棟は6階の西病棟というところで、そこに入院治療している患者は血液内科の患者であり、ほとんどが白血病悪性リンパ腫の人々で、オフのような多発性骨髄腫の人もほんの少数だったが混じっていた。 多発性骨髄腫の場合は白血病に比べて発生率が少なく多くは六十代以上の患者だが、白血病の患者さんには十代、二十代の若い人も珍しくなかった。 移植医療の強い抗がん剤のせいで男も女も一様に皆ツルッパゲの頭になっていて、若いだけに思いつめたような暗く厳しい表情をしていたのが強い印象として今でも残っている。 今回の発見はそんな若い患者さんたちに光明を与える研究の成果に繋がることが特に嬉しい。