諸行無常

 約10日間の休みを挟んだが明日から再び3クール目の抗がん剤の点滴が始まる。 また始まるのだ・・・と思うだけでうんざりしている。

 内閣府は5日付で「男女共同参画社会に関する世論調査」の結果を発表した。 それによると・・・
 ≪結婚しても必ずしも子供を持つ必要はない」と考える人は、前回調査時(07年)より6・0ポイント増の42・8%で、97年の42・7%を超えて92年に調査を始めてから最高となった。 「子供を持つ必要はない」との回答は、男性が38・7%なのに対し、女性は46・5%と半数近くに上った。年代別でみると、20歳代63・0%、30歳代59・0%と高く、若い世代ほど子供を持つことにこだわらない傾向にある。40歳代は47・5%、50歳代43・1%、60歳代35・8%、70歳以上22・8%だった。 また「結婚は個人の自由だから、してもしなくてもどちらでもよい」との回答は前回より4・9ポイント増の70・0%。過去2回の調査では減少傾向にあったが今回は再び7割に戻った≫

 結婚しても必ずしも子供を持つ必要はないと考えるか、と訊かれてもなかなか簡単に答えることが出来そうもない。 これはあくまで仮定の設問であり、実際に自分がどのような立場にあるかによって答えは違ってくるだろう。 本人にパートナーがいるいないでも答えは違うだろうし、いるにしてもパートナーとの関係が上手く行っているかいないかで答えは全然違うものになる可能性は大きい。 子供を持つことに対してオフの世代の60歳代の35パーセントは<持つ必要はない>と答えている。 そのような質問に対してはオフの世代ならどうしても自分の子供のことがまず頭に浮かぶものである。 オフの場合は上の息子は結婚して子供がいるが、中の娘と下の息子はまだ結婚していない。 そうなれば当然二人のことが頭においての回答することになる。 二人はこの先結婚するのかどうか、したとしてもどのような結婚生活を送るのか・・・このような調査にまじめに答えようとするといつも答えにくくなってしまう。 そんなことを度外視して、エイヤッと自分の考えで答えるとしても・・・結婚は個人の自由だと言っても、良い相手がいれば結婚したほうがよいし、いない場合は無理に結婚することはない、とやはり良い相手という前提にこだわってしまうし、その前提によって答えが違ってくる。 また子供のことにしても経済的な条件とかのいろいろな条件が許せば子供を持ったほうが良いだろうが、そうでなければ無理に子供を作ることはないよとなってしまって答えようがないものだ。
 それにしても女性の46・5パーセントが子供を持つ必要はないと答え、20代ではそれが63パーセント、30代で59パーセントというのは驚きである。 これを見るろこの先間違いなく少子化の時代が来るのだなぁと思える。 それを国家の衰退などと言い立てる人がいるがそんなことはないだろうと思う。 一般的にいって人はその人の成功体験を敷衍しようと思うものであるが、たいていの場合それが諸行無常や盛者必滅のことわりを生む元になっていることが多いものである。 人口が増えたり減ったりすること自体は悪いことでも良いことでもないはずだし、なるようにしてなっていくのだと思う。 あえて言うならば減っても増えても、それぞれ良い面と悪い面とがあるだけのことだけのことだろうと思う。
 最近特に思うのはこの地球上に生きる生命は快、不快の原理のもとで生きているのだが、どのような種であろうともすべて繁栄、衰退のことわりの内にあるということだ。 それはこの地球だけでなく宇宙そのもが誕生と消滅のことわりの内にあるという物理学者の言うことにも合致しているし、あらゆる生命や種の歴史を見るにつけてもやはり繁栄と衰退を繰り返している。 まして人間が作り出した世界の文明なども同様に興亡を繰り返している。 まして国家や一族などから一家に至るまで、諸行無常、盛者必滅のことわりからどれだけあがいても逃れることは叶わないということなのだ。 この地球上にもし確実なものがるとしたら、それだけのような気がする。