ベルケイド入る

 いよいよベルケイドによる抗がん剤治療が始まった。 現在のところ日本ではベルケイドはまだ認証からさはど日が経っていなく、臨床の数も少ないという理由で他の抗がん剤との併用は認められていない。 欧米では他の抗がん剤との併用や、病状の初期の使用もすでに認めれれている。 日本が医学的な対応が遅いのは、対応する厚労省の係官がお欧米に比べて極端に少ないという事情があるみたいだ。 医療費に関しては日本は世界第二位の消費国らしいが、医療産業レベルでは7,8位ぐらいのレベルらしいと訊く。 戦後の国民的な護送船団式の談合社会システムが崩れ、あらゆる分野でグローバル化的による崩壊が始まった。 しかしなんとそれの対応に政治が20年遅れ政権交代はようやくおきたが、まだまだ政官業の遅れはまだまだ大きい。 これは一概に政治家などを責める訳にいかない戦後の経済成長の時の成功体験の夢から国民すべてが抜けきれなかったのである。 しかしそうは言いながらその方向を出すべき政官業に渡る日本のベスト・アンド・ブライテストが自らの老後の安定に結びつく既得権にしがみつくことしか考えていなかったのである。 でもこのような批判的な評を書きながら一方ではどこかむなしいモノを感じている。 と言うのはグローバル的な競争をほどほどに勝利した先に何があるの?と考えていくと、結局そこには人々を幸せに出来ないロクナデモナイモノしか控えていないような気がしているからだが・・・このことについてはこのくらいにして、話を戻そう。  
 そうそうオフは病人であった。抗がん剤である以上身体にとって毒物であることには代わりないので、そので毒物身体に受け入れられ安くするためにステロイドを併用的に使う。 それがデカドロンという何だか如何にもという名前の中身はステロイドの錠剤を・・・な・・なんと・・なんと四十錠も飲むのだと聞いた時、正直、エエッ〜と驚いた。 生まれてこの方一時に四十錠も同じ薬を飲んだことは一度もない。 まあ普通の人だったら誰でもそうだと思うのだが・・・睡眠薬を飲んで自殺を試みるという話は聞く。 その場合大量に睡眠薬を飲むのだが、そんな時の大量に飲む量とはいったい何錠ぐらいのことを云うだろう? せいぜい四、五十錠ぐらいのものではないだろうか? 今回はあまり多いのでベルケイドの点滴前とその後と二度に分けて飲んでもよいと言われる。 ステロイドをパルス的に一時に大量に飲み、一気に免疫を抑制した状態にしてその間に抗がん剤ベルケイドを血液中に点滴してしまおう、という考えなのだろうか・・・? ところがこれだけの大量のステロイドを身体に入れるので、今夜は身体や頭がパキパキ状態になって不眠の状態になるわよ、と言われる。 再びエエッ〜だ、これではまるでノリピーのシャブ漬けじゃないかいなぁ・・・病みつきになりそう〜(笑)
 ところがその夜予想に反して眠りが何度かゆるやかな波のように訪れた。 ああ・・・眠ったなぁと目が覚めて時計を見ると、まだ数十分程しか経っていないような浅い状態の眠りが何度かおとずれて・・・どうやら眠りの女神さまはまだまだオフにほほ笑んでくれたようだ・・・ ところで朝方アレレ〜!ということが起こったような起こらなかったような・・・今となってはすべて浅い夢であったような・・・最近太平洋の各地で大きな地震が時々起きている。 その度にマスコミに津波警報が流されれいる。 オフのいるところはたいてい海岸からは少し離れているところなので、押し寄せる津波を少し期待する・・・もちろん爪痕を残すような大きなものであっては困るのだが・・・その度に少しドキドキして寄せ来る程良い津波を見てみたいような気になるのであるが・・・もちろん朝方の浅い夢のような出来ごとが最後にあったのは一体いつ頃以来のことだっただろうか(笑)
 痛みを感じる、熱が出る、お腹が重苦しい、それらはみなそれぞれに苦しい。 その苦しみの中に陥って忘れていた健康であることが何であったか初めて気が付き、生きているということはまさに肉体が今生きているということに他ならないのだなぁと気付かされる。 同じように小さな小さな津波のような盛り上がりの中にも肉体が生きていることを感じる。 それがすなわち喜びと言えるものかどうか・・・しかしかすかなしるしのようなものを自分で感とる、これはやはり生きているという喜び以外のなにものでもないのだろう・・・と思う。