再発

 骨病変が再発した。 金曜日あたりから夜に39度台の高熱が続いていた。 今日受診した。
 インフルエンザの恐れもあるというので、別室に案内されインフルエンザの検査と、採血4本分、採尿があり、待つこと一時間あまりで結果が出てきた。 インフルエンザは陰性で一安心だが、それでは高熱の原因は? 先月末には何の異常も現われてなかった血液中のグロブリン、形質細胞が増えてきていて、すでに骨病変が始まってい可能性が強くて、その結果としての尿中にMタンパクが増えてきている。 昨年の夏入院した頃に近い数値である。 医師からその事実を告げられた時、意外と冷静に受け止めていた。 実はその予兆が現れていたのを知っていたからである。 数日前歩く時に右の骨盤の真ん中辺りが痛かったのである。 嫁さんから受診を進められたが、大丈夫だよ、と答え、明日もう一日ようす見て痛いようだった受診するから・・・と笑って答えていた。 が・・・夜中一応寝たふりをしていたが、これは再発したなぁ、と思うと正直眠れなかった。 退院の時、次の再発までは少なくとも数年有るだろう、と医師も予想していたからあまりにも早い病変の現れに納得が出来なかったからだ。 ところが翌日背中の痛みは半減していた。 大分楽だからもう一日様子を見るよ、と嫁さんに答えておいたが、その翌日にはありがたいことに痛みはほぼ治まっていたが、その日の夜から39度台の熱が出るようになった。 多発性骨髄腫は100人いれば100人の病状の現れ方が違う病気だと言われている。 いずれにしろオフの場合病変が出ると、その進行が驚くほど早いのが特徴である。 数日前にそんな経緯を経ていたので、再発と言われてもその場ではさほど動揺しなかったのだろうと思う。  それにしても先の退院からまだ半年しか経過していない。
 現在の状況をイメージで語るなら、敵の侵入を防いでいた砦が突然破られてそこから敵が侵入してきて、あっという間にそれまでの領地の三分の二は敵方にすでに占領されてしまった。 そうすればこちら側はあと三分の一しか残っていないことになる。 強力な敵に対抗するためベルケィド将軍を立てて戦う作戦に切り替えた。
 一日も早い治療ということで早速明日から入院で、検査等が始まり来週初めからベルケイドという新薬の抗がん剤の点滴治療が始まる。 その薬が合った場合、最長二年ほどの延命が可能となるというが、この薬も結構副作用が強いらしくて、その副作用で治療が続けられなくなる場合が多いとされている。 それに、これまで経過などを見ると、オフの骨髄腫はなかなか強力なようで、甘い見方は出来るだけしないようにしようと思う。