死刑囚からの臓器移植

 先月臓器移植法案の改正案が国会を通過した際、この問題についてオフの考えを7月19日の日記に書いたのだが、その中で極論として少し揶揄的にで死刑囚の臓器移植について書いたつもりだった。 http://d.hatena.ne.jp/offer61/20090719/1248004019
 ところが今日、お隣の中国では臓器提供は一般ドナーからほんのわずかで、臓器の提供の65%超が死刑囚からである、というニュースを見て驚いてしまった。
http://www.sakigake.jp/p/news/science.jsp?nid=2009082801000548
 それによると中国は移植医療大国で、年間一万件以上の臓器移植が行われており、なんと一般ドナーからの提供数は130人との関係者の証言もあり、これによると臓器移植のおおよそ99パーセントが死刑囚からの臓器の提供であることになる。
 中国も日本と同様に欧米とは死生観が違う。 どう違うのかはオフは詳しくは知らないが、映画などに現れた埋葬された死体から推測すると欧米のそれはゾンビであり、中国ではキョンシーである。 ゾンビの場合は姿恰好からして腐乱していていかにもオドロオドロシイのだが、キョンシーの場合は生きている人間と同様な姿で現れて、その動きなどどこか笑えるようなところがある。 おそらくキリスト教の考えで行くと、死んだ人の魂は天国か地獄へ行ってしまっているのであって、死体そのものはその抜け殻であると言うことなのだろう。 それが一般の人々の肉体に対する捉え方や、臓器移植に対する考えや対応の違いとなって現れているのではないだろうか。
 また、中国に限らず何処の国でも死刑囚も一般大衆とさして違いない死生観を持つているとことが考えられる。 刑の執行の後に死刑囚だけが積極的に臓器移植を望んでいることは考えられないので、発表された中国での臓器移植の数値には驚かざるを得ないし、何か割り切れないものを感じる。 つまり本人の自由な選択で、自らのすすんでの同意や意志の下でそれらが行われているのだろうか?という疑問である。