中曽根氏の対談

 今月の雑誌『文芸春秋』に「自民党政治はいつ終わったのか」というタイトルで中曽根康弘元首相と読売新聞の会長であるナベツネこと渡辺恒雄が対談している。 この対談では中曽根康弘はまるで他人事のように自民党を外部から評しているし、ナベツネは相も変わらず元首相の太鼓持ち役を務めている。 中曽根氏はアメリカのレーガン大統領とロン・ヤスの間柄でプラザ合意を取り付け、貿易赤字に悩むアメリカを救う意味で日本は意識的に円高ドル安政策に舵を切った。 そして国内的には内需拡大政策で需給バランスを無視して金利を低く抑えた。 その結果誰もが知るように経済はバブル化し銀行は争って貸し出しを増やしダブついたマネーは不動産などの投機に向かい、数年後に日本経済は破綻した。 その破綻を呼び込んだ張本人はほかでもない中曽根康弘氏だったことは今ではくの学者などが認めるところである。 中曽根氏はオフの知る限りそのことについて国民に向ってそのことについての謝罪や釈明は一度もなしていない。 先日書いた海軍軍令部の高級将校や沖縄戦を指揮した司令官などと同様である。 まず彼はこの対談の中で、民主党は国家統治に対する自負心が希薄だと、民主党を批判してこの対談を始めている。 次に現在の政治の貧困さや言論の不活発さを小選挙区制を導入したことから来ているとしている。 最後に小泉改革を批判している。 その根拠を小泉改革は日本の歴史や伝統や文化の軸を背景に持っていない改革だったからだとしている。 彼の論拠によれば小泉内閣の改革が自民党政治の敗北をまねいたのであり、自民党そのものは悪くない、という結論になる。 日本の政治経済の舵取りをを間違えたのはあのプラザ合意を選択した時点にあると考えるオフの考えとは大きく違っている。  そして今回の衆議院選挙では自民党は100議席減らすだろうが、150議席を減らして大敗北だとの予想を述べている。 ところが選挙直前の新聞社などのアンケート予想では200議席減が言われているが、結果が出るのはもうすぐである。