とうとう・・・

 一昨夜は嫁さんは母親の付き添いで病院に泊った。 母親は軽い脳梗塞で先週から入院しているのだが、その後、肋膜に水が貯まりはじめ上半身が水ぶくれで浮腫んでいて、一時は危ないなぁ、というところかで行った。 がその原因が血糖値の低下から来るものと分かり一息ついた。 しかし、その後、軽い喘息が出てきて嫁さんは一昨夜は泊り込みの付き添いとなった。
 続いて昨日アッチャンが入院となった。 幻覚妄想性躁状態とカルテに書かれていた。  ドーパミンが過剰分泌した状態なのだろうが、ここ数日ほとんど眠っていないのではないかと思われる。 頬もこけて顎が尖って来ていて目がぎらぎらしている。 昨夜は夜中に上がって来てドアチャイムを鳴らすし、電話も鳴って起された。 だが、このことについては軽々に書きたくない。 本人が一番恐れていたのは再入院だったからそれを極力隠していたし、誰であれ精神病院へ閉じ込められるのを恐怖しない人はいないだろう。 そんなアッチャンを嫁さんと騙して、薬を再調合してもらうとか言って病院へ連れて行った。 医者から入院を言われるや、立ち上がって逃げ出そうとした。 それを予想していた嫁さんがあわやのところでズボンを掴んで引きとめたが、その時ドアに挟まれて軽く怪我をした。 
 一昨日、様子を見に下の階を訪ねた時、アッチャンがテーブルに新聞を置いて、椅子から腰を浮かせて中腰になってそれを読んでいた。 普通ならそんな恰好ではものすごく疲れるはずであるが、そんな姿を見ながら、その時、嗚呼・・・これは・・・!と思った。 後ろめたい気持ちも混じりながら、その時のアッチャンの姿が目に焼きついている。