血液検査でうつ病が分かる

 11日の朝日新聞に、「うつ病 血液検査で診断 白血球の遺伝子に変化」という記事がのっていた。
 http://www.asahi.com/health/news/OSK200907100164.html
  これについてさっそく要約して書いているブログを見つけた。
 http://d.hatena.ne.jp/Trick_or_treat/20090711/p1
 厚生労働省の研究班が、うつ病患者と健常者では白血球の遺伝子の反応が異なることを利用して開発したということらしい。
 それによると白血球の遺伝子はストレスで変化し、約3万個の遺伝子の中で神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、うつ病患者と健常者では異なる働き方をすることを突き止めた。 さらに今後2年間で実用化できる精度であるか、うつ病以外の病気と見分けられるかも調べる予定ということらしい。 これが実用化されれば、たった2.5ccの血液で診断できる。 なお厚生労働省の調査では、うつ病など気分障害と診断される人は、2005年に92万4千人で、6年間で2倍以上に増加しているということだから現在ではとっくに100万人を越えているだろう。 国立精神・神経センターの樋口輝彦総長は以下のように話している、「高い確率でうつ病を見分けられることが明らかになれば、診断の手段として有効な方法と言える。 白血球の遺伝子の変化と、うつ病の原因とされる脳内の変化との関係が分かれば、原因究明にもつながると考えられます」 
 さらにブログの中には ≪国立精神・神経センターで、血液中に含まれる「βフィブリノーゲン」という物質の分解物が多いと鬱病である可能性が高いという研究結果を発表した≫との書き込みもある。
 なおこのニュースの関連を検索していくと、昨年のメンタルヘルスニュースネットというサイトに以下のようなニュースもあった。
 ≪簡単な血液検査で「うつ状態」を判断し、抗うつ剤の効果をより早く確認できる手法を、米イリノイ大学の研究者が2008年3月11日に発表しました。 これは鬱状態の指標となる脳細胞内のタンパク質を利用したもので、抗うつ剤の効果が4-5日で判断できるそうです。≫
 http://xn--n-pfura4hvb7cb4d.seesaa.net/article/92910968.html

 いずれにせよ採血した血液の中のたんぱく質や白血球などを調べることで、うつ病に罹患しているかどうかが確認できる方法が日進月歩の速さで見つけ出されているとうことらしい。
 ところがさらに検索していくと、白血球の遺伝子の検査に関しては、なんとあの日立製作所が02年にすでに特許を出願していて、04年にすでに公開されていることが分かった。
 http://blog.goo.ne.jp/riibs/e/e4ce9838249266afd03b7f9cf394c75b

 ウツ病患者100万人・・・同じ病気でも罹患者の多い病気ほど研究も進むのが世の習いらしい。 オフの多発性骨髄腫などという病気は10万人に2人ぐらいの発病であるから、せいぜい自家移植という身体に大きなダメージを与える治療法ぐらいしかないのだが、それで完治するかと言えばそうはならない。 同じ血液の病気でも慢性白血病などは以前は骨髄移植でしか助からないと言われていた病気だが、今は良い薬が発売されて移植などほぼ必要なくなってきている。 そんなことをボヤイテいても始まらないなぁ・・・ それにしてもネットはいろいろな情報を居ながらにして提供してくれることをあらてめて驚き、感心している。