1Q84

 今月に入ってからボチボチ就職活動を始めていた娘の就職先が決まった。 昨日最終面接でOKが出たのだが、さっそく今日から勤務らしい。 所属会社はNTT西系の何とかという派遣会社で、神戸の食品会社のコールセンターへ専属の派遣社員として勤めることになった。 派遣社員が辞めたので急遽一名募集していたらしいが、経験者募集という事情もあって娘は何とかその隙間へ滑り込めたらしい。 よかった、よかった。

 昨日「1Q84」を読み終えた。 この小説の基本的な内容は前にも書いたようにやはりメロドラマだと思う。 物語は男女二人の主人公がいて彼らが交互に描かれている。 その二人の話が物語の中で交差するか、交差しないかはとりあえず伏せておくとして、両者はたまたまの行きがかり上とある謎のカルト集団へそれぞれの形で関わりを持つことになる。 一人は不思議な武器を持ち、もう一人は組織の成り立ちに係わる暗示的な物語を携えて、それぞれ立ち向かうのだが・・・というのがネタバレギリギリのこの作品のアラスジ。
それにしてもこの三日間結構楽しめた。 でも村上春樹のファンタジックな作品の中ではどちらかと言えば骨太な枠を組んだ作品ではなかったように思う。 そのテーマとかになるとすでに諸処の見解が出てきているし、これからも出て来るだろうと思う。 それについては、長くなりそうなので今日触れない。
  村上のファンタジー系の作品群が、型枠にはまったような安っぽい劇画的な物語とかろうじて袂を分かつているのは、語られる登場人物達の過去から現在に至る物語の本当らしさ、物語の大筋はファンタジーでありながら登場人物像のその肉付けのリアルさにあるのだなぁと思った。 この作品についてはいろいろ考えさせられたし、これからも考えることになるのだろうと思う。