荻原規子著 「空色勾玉」

 もう六月である。 ちょうど今月末の30日が二度目の移植から100日目となり、データーを残すため各種の検査が予定されている。 しかし、その今月末になれば今年も半分終わったことになるのだが、なんとも時間の経つのが早く感じる・・・
 ここのところ体調はまあまあ落ち着いている。 まだまだ味覚とかは本来に戻ってないが、少々なら油を使った料理など食べれるようになってきている。 嫁さんはグレープ・シード・オイルという葡萄の種からとったオイルを用意してくれている。 おそらくワイン用に使った葡萄の残りの種から搾り取ったオイルなのだろうと思う。 使ってみるとたしかにオリーブオイルより油切れば良くてサラリとしていて匂いもも少ない。 それにこのオイルは他のオイルよりも酸化することが少ないらしいというのがなによりも嬉しい。 

 村上春樹の新刊「1Q84」の売れ行きがすごいらしい。 発売と同時に70万部も売れたという情報もある。 今日アマゾンを検索してみると売り切れで次回の入荷が6月10日となっている。 遅かれ早かれ内田樹氏あたりがブログに簡単な書評を書くだろうから、少なくともその前に読了しておきたくて一応注文を出しておいた。 そのアマゾンから午前中哲学系の本が三冊届いた。 いずれも新書版でブ厚い本ではないのだが、解説本ではないので読みにくいだろう。 読み切れるかどうか分からないが、挑戦してみるつもりである。 まずはスティーブン・ピンカーの「思考する言語」

 娘から薦められていた本「空色勾玉」 荻原規子著を読んだ。 少年少女向けの児童文学作品で、日本の国造り神話をモチーフにしたファンタジーである。 とにかく展開のテンポが速くて心地よく、大人でも次の展開をワクワクドキドキとしながら十分楽しめる作品である。 時代を過去や未来にとって自由に時空間を移動するような壮大なこの手の話は、普段から漫画、劇画などで馴染んでいる現代の子供達にとってはさほど取っ付き難くいとか、読み慣れない話ではないだろう。 オフたちより十数年後に生まれている作者も、そのようなサブカルチャーを通して幼い頃からこの手の物語に馴染んできたのだろうと思う。 テンポよく壮大な物語の展開や情景描写などはまさに劇画の世界そのものであるが、物語の展開とともに主なる登場者が成長していく様子なども上手に描きこまれている。 劇画的なビジュアルな展開を丹念に文章で書いた作品と云えばピッタリのような気がする。