「続明暗」

 昨日の夜も熱が出てしまった。 もともとオフの体質は夜になると熱が上がる傾向がある。 自分では37度くらいかなぁ、と思って計ると38度もあってオッリョ〜!となる。 現在オムロン製の体温計を使っている。 値段が安いのと計測の時間が短い(30秒で計測できる!)ので有難いのだが、平熱の時はそうでもないが、熱が上がった時にはイマイチ信用できない。 昨夜もその後続けて計ると37・6度という数値が出た。 たかが0・4度の差だがこの差は馬鹿にならない。 これが血液内科(白血球が低い状態の患者)であれば38度を越せばとりあえず解熱剤を飲み、さらに一般的な抗生物質が点滴される。 もちろんそれだけでは済まない。 採血されて、それを血液培養に出して菌の特定を行い、後日その検出された菌に見合う抗生物質が投与されることになるのだ。 嫁さんが昔使っていた水銀の体温計を出してきて、あらためて計り直した(何と10分間も脇に挟んでおく)ら37・4度だった。 どうも体調が悪いとようやく治まっていたところまでもまた悪くなるようだ。 前に患った左目のモノモライも少し復活してきたようで、まばたきする時に粘っこい感じがしてくるという具合にだが・・・。
 水村美苗の「続明暗」を読み終えた。 漱石の「明暗」を十分読み込んだうええ書かれていて、ストーリィの展開としてはこれで完璧じゃないかと言える気がする。 とにかく作者の力量に感心するばかりなのだが・・・少し時間が経つにつれて、しかしこれは残らないぞ、と思いだした。 何故なんだろう?と考えるが よく分からないまま・・・とりあえず多分背後に煩悶がないとでも言っておこうか。 何に対しての煩悶かと問われても、いわゆる漱石が悩んだとされる近代自我についてと書いておこうか。 じゃ、漱石の「明暗」の何処にそれが現れているのだ、と問われても困ってしまうのだが・・・これは作品を書こうと思った最初の動機にも繋がると思う。 総合的にすべての登場人物を動かしてこの物語を動かし語っている作者の視線の基にあるモノ、仮にそれを哲学と言ってもよいと思うのだが、それが欠けているような気がする。 今、それが何処のどの部分に出てきているのかと言われても指摘しようがないが、すぐれた文芸批評家あたりが指摘しているかもしれない・・・江藤淳がかなり長い漱石論を書いているようだが、漱石の作品を全部読み終わった段階でその気になればこれも読んでみよう。 とにかく今は読みたい本が日に日にドンドン増えてきて困っている。