映画三昧

 昨日も37度台の熱がまだあったが、朝の内だけだった。 でも、身体が何となくだるい。 またまたケーブルテレビで映画を三本観た。
 まず一本目はイタリア映画でカンヌのパルムドールをとったイタリア映画「木靴の樹」三時間モノの映画である。 まだ電気もない頃の19世紀末の北イタリアの田舎での農民たちの生活を描いている。 登場するのは主に四家族の小作人の農民たちだが、耕作地だけでなく住まいとか農耕牛とかすべてが地主の持ち物でそれらは貸与されるのだが、何と収穫の三分の二が地主への年貢である。 出演しているのは全員当地の農民であるとされているのだが、カメラの視線をまったく意識しないで淡々と日常生活を自然な形でこなしている。 もちろん多少の小さなエピソード的な物語が挟まれているのだが、まったくの素人のにわか役者の対してそのあたりの自然な演技指導が徹底して行き届いているのに感心する。 文句なく良い映画だった。    
 続いて、「女は女である」フランス映画でゴダール監督作品。 いわゆる当時のヌーベルバーグ作品だが、61年作としてはモードとかファッションとかがモダンで半世紀あまりたった今見ても斬新で新しさを失っていない。 少し観念的で思想的なメッセージ性が強いゴダールは、当時とは違って今となるとどちらかと言えばあまり好きではない監督である。 
 最後に日本の最近の映画、「愛の予感」。 一番最初の部分を観ていないので、もう一つ分かりにくかったが、約一時間以上にわたって淡々と描かれる二人の人間の日常を観ていて、映画が予期していたこととは別のこと、つまり・・・日本人はやはり農耕民族なんだなぁ・・・と言うことが頭に強く残ってしまった。 人は他者の他者であることによって自分をはじめて確認すると言うか、その中で自我を確認して作り育てていくのだと思うが、「愛の予感」とわざわざタイトルに<愛>を書いたのは監督のこだわりだろうが、タイトルにそこまで踏み込まなくても<予感>だけでよかったのではないかと思う。
 社会実情データー図録http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/index.htmlというサイトがあって、これを見ているとたちまちの内に時間が過ぎてしまうほど面白い。