回復2

 回復と言ってもまだまだ自力でパソコンを打てない。画面を見ていてもすぐに目が痛くなり、涙が出てくる状態である。見舞いに来てくれている娘に頼んで打ってもらっている。

 自家移植治療は、今回で二回目であるが、前回と比較してどちらが辛かったかと言えば、何ともいえない。ただ前回の辛かったという記憶はあるが、個々の具体的な記憶がなくなってしまっている。たった数ヶ月前の事なのにすっぽりと抜け落ちてしまっている。よく女の人が出産の時に苦しい思いをして、もう二度とこんな苦しい思いは嫌だ、と言うがそれを忘れて第2子をもうけるのに似ているのだろうか。
ただ前回は軽く血を吐いたり便が黒くなって胃腸内で出血していたが今回それはなかった分楽だったともいえる。それともうひとつ。一度経験しているので苦しみに伴って広がる、とりとめもない不安に囚われる事が少なかったように思う。

 今回の二度目の自家移植で約半年ほどかかった治療が一段落するので、これでようやく終わりかという思いを強くしている。この先どうであれ、データの数値が一定基準をクリアし、栄養を点滴に頼らず食事でとれるようになっていれば退院出来るはずである。

 クリーンルームが解除された今週初めからは自分ではまだ無理かなあと思いながらも、口内炎の痛みを我慢して食事を開始したり、室内のポータブルトイレではなく息切れしながら点滴台を押して便所へ行くようにし始めた。一日も早く病院から出たい一心である。
そのおかげか、口内炎も和らぎ、足取りも少しずつ確かなものになってきている。