小沢氏失脚か

 ぐずついた日が続いていたがようやく今日は朝から青空。 院外へ散歩でもと思っていたが、口腔外科の検査と骨髄穿刺が入った。 検査に呼ばれる時間が未定なので、ふらふらと散歩に出る訳にもいかない。 まして穿刺を受けた後は安静でいることが大切だ。
 昨日の夜、何となくお腹がすいてきたので売店へ行った。 エレベーターを待っていたがなかなか上がって来ないので、横の階段を使って降りることにした。 6階から1階までだが下りなのでテンポよく降りて、少しも疲れなかった。 売店穀物ビスケットなどを買って今度は階段を昇りに挑戦した。 一階から六階まで階段を登って行ったのだが、五階まで一気に登れた。 五階と六階の中間の踊り場で急に足に疲れが来たのだが何とか登り切りった。 しかしその後病室まで廊下を歩くのが足がだるかったが、何とか部屋に辿り着きベットに寝転がってホッとした。 
 その後定期検温に来た看護婦が血圧を測って、「少し高いわねぇ」と言ったので、少し前に階段を上ってきたことを話した。 「えぇ〜嘘っ〜私なんか三階までで息が切れてしまうわ」 と答えた。 悪いが、それは本当だろうなぁ、と思った。 と言うのも彼女は二十数人いる6階西病棟の看護師の中では最もおデブちゃんなのである。 昔オフの父親が田舎の病院にパーキンソン病で入院していたのだが、その時の病室が4階にあったのだが、そこの階段を登る時は息がきれなかったのが三階までで、残りの1階がしんどかった。 思えば当時はオフはまさにメタボ腹で現在より二十数キロ太っていた。 二十キロ以上余分なものをお腹に抱えていたわけだから、無理もなかったかもしれない。 そんな事を思えば、ガンに侵されて体重が二十数キロ減り、その結果血圧も下がり血圧を下げる薬を飲まなくても良くなったというメリットもあったわけである。
 そのおデブちゃんの看護師が前回のタンデム(移植)の時と同じく今回もオフの担当看護師になっている。 どちらかと言えば気が弱くて、はっきりものも言えないタイプで、一度何かの処置でミスをしてオフが怒った時におろおろとしてしまい、それではどうしましょう? と患者であるオフに訊くような情けないこともあった。 でも、専門家としてその事態を恥じているかと言えばそうでも無くて、そんな鈍さもあって、まあ・・・どこか憎めない人柄の担当看護師である。
 ニュースより
 準大手ゼネコン「西松建設」の巨額献金事件で、民主党小沢一郎代表の秘書ら三人が逮捕され、捜査関係者は同社側から小沢一郎代表側への献金は過去十数年間で総額約3億円に上ると語っている。 また西松建設は小沢氏の事務所側からの要求に応じて下請け会社などからも献金を集めていたという。 民主党の小沢代表に対するいわゆる無党派層であるオフの見方は、彼個人への好悪は別として、現在の日本の政治状況の中での政治家として彼の存在に一定の評価と期待を持っていた。 具体的に言うならば現在の政治的な閉塞状況、と言うか閉塞してしまった日本の政治の流れを変えれるのは彼しかいないのではないかと見ていたのだ。  保守がリードしてきた戦後の日本の政治の手法は現在ほぼ行き詰っているのは誰もが認めるところである。 その戦後の政治手法を変える次の流れを見いだせないでいることが、そのまま現在の閉そく状況となっている。
 二、三日日前に内田樹氏のブログの中の言葉を転載したが、もう一度それを載せる。
 ≪ 歴史上のどんな大きな事件でも、それを事前に予見できた人はいつでもほとんどいません。 同じことが未来についても言えるだろうと私は思います。 私たちの前に拡がる未来がこれからどうなるか、正直言って、私にはぜんぜん予測ができません。わかっているのは「あらかじめ決められていた通りのことが起こる」ということは絶対にないということだけです。≫ 
 現在オフは病室で平家物語を読んでいるのだが、長く続いた平安朝の摂関政治が行き詰まりをみせ、朝廷を中心にしてそれに代わるべき権力争いが数々起きて来るのだが、なかなか状況は前に進まない。 場合によっては後戻りもする。 摂関政治の頂点たる藤原道長以降平清盛の登場までの間に不可思議な人物が次々に登場し人の世を翻弄する。 それは白河法皇であり、藤原頼長であり、信西であり、藤原信頼であり、後白河上皇である。これらの人物の登場によって人々は右往左往するしかないのである。 後の世代が歴史的な必然などと言う簡単な言葉でひと括りできるほど簡単に日本において武家政権が登場した訳ではないのである。
 しかし政治の世界においては一旦時代の方向性が見えて来て動き出すと後は勢いがつく、人々はあたかもその流れが最初から分かっていたかのように動き始めるからだ。 しかし、その方向性があらかじめ見えている人がほとんどいないのがいつの時代でも同じなのである。 しかし、そんな中にあって流れを代える一人の人物が忽然と出てくる。 しかし、その人物自身流れが見えているかと言えばそうではない。 流れが見えていないにも関わらず、その人物が登場し何事かを為すことによって、あらかじめ決められた通りのことと異なることが起きて、それによって人々の目が見開き、おのずから流れを明らかになってくる…そのような働きをする人間がでてくるのだ。
 現在、保守革新の中で見回してみても小沢一郎以外に日本において政治的な戦略を持ち、次の政治の流れを作り出す力を持つと思える政治家が一人もいない、とオフは見ている。 そのことが現在一番問題なのである。