外交

 再入院二日目、午後から全身レントゲンを撮る。 足、手の先、頭などなど何枚もレントゲン写真を取る。 この撮影はこれまで何度か受けていているが、次のタンデム(移植)のビフォワー・アフターを比較するための資料となる。 今回の入院は個室なので周りに気を使わなくてもすむ、それだけでもだいぶん気が楽である。

 一昨日国家間の政治取引、国際外交のついて簡単に書いたが、今日その格好の見本みたいニュースが一つあった。
 ≪オバマ大統領が先月ロシアのメドベージェフ大統領に対し、イランに長距離ミサイル開発を断念させてくれれば東欧での米ミサイル防衛(MD)施設建設計画を見合わせると提案する秘密書簡を送ったと報じた≫とある。 
 http://www.sakigake.jp/p/news/world.jsp?nid=2009030301000410
 なお、書簡には「イランが核弾頭や弾道ミサイルの開発をやめれば、米国は迎撃システムを配備する必要がなくなる」と記されていたことをアメリカの複数の政府高官が明らかにした、とある。
 これはオバマ大統領がブッシュ前政権が推進したMD計画の見直を申し出て、ロシアとの関係改善を図るとともに、イランの長距離ミサイル開発断念に向け協調することをロシア側に打診している。 これに対してロシア政府はまだ回答してないという。 ボールはロシア側に投げられていることを国際社会へ明らかにして、アメリカはロシア側の出方を待っている状態である。 これに対してロシア側が協調すると言えば両国の交渉が始まる。 ノーと言えばロシアがイランのミサイル計画を後押ししている事を認めることになるし、アメリカはMD計画を推し進める国際的な大義名分が出来たことになる訳である。 まさに外交とはこのようなものであるという見本である。
 北朝鮮拉致問題でも、現在のようにただただアメリカ頼りにお願いしているより、アメリカが妥協するような材料を出して協力を取り付けるという事が、国民にも国際的にも分かりやすく効果的な外交戦術となるはずなのである。 現在の戦後日本の政治が国民からソッポを向かれ関心持たれないのは、政治や外交の軸が対米追従で独自の戦略や戦術を持てないからである。 外交がただただ、お願いします(選挙の時も同じであるが)では、誰が総理になって内閣を組もうと実際はほぼ官僚任せとならざるを得ない。 公務員である官僚というのは、波風を立てないことを仕事の本分としてしまうからである。