政界再編の軸

 今日も朝から昨日と同じような柔らかな春の日差しが室内へ差し込んでいた。 午後から嫁さんと連れ立って戸外へ散歩に出掛けることにした。
 昨日は桜道と呼ばれる道路沿いに歩いたが、今日はその裏の住宅街を迷路のように走る細い道路を歩いた。 ところどころに三階建ての新しい小マンションが出来ている。 阪神神戸の震災後、壊れた家をならして空き地になっていたところを整地してポツポツ建ったらしい。 今の時期花木は少ないが夏みかんや金柑などがタワワニなっているのとミモザの木が印象的だった。 ミモザは建物の北側だが沢山の花を付けて咲いていた。  
 数年前トルコを旅行した時地中海に面する港町にミモザがたくさん咲いていたが、あれもたしか二月か三月だったなぁと懐かしく思い出す。
 迷路のようになった裏道を歩いていて気がつくと娘のアパートの前に出ていた。 立ち寄らなくてもゆっくり歩いて帰れそうだったので、バスタオル一枚干してあるベランダを見上げながら立ち寄らないで通り過ぎた。   帰りマンションの近くまで来たがさすがに疲れてマンション内にある公園のベンチに腰掛けてしばらく休んでから帰った。
 

 今日のニュースから
 ≪民主党小沢一郎代表の在日米軍基地縮小に絡む「日本に関係する事柄は自身が役割を分担すべきだ。米国の極東におけるプレゼンス(存在)は第7艦隊で十分」との発言が与野党に波紋を広げている。持論の「対等な日米同盟」を強調する半面、防衛力強化を志向していると受け取られ、民主党内でも真意を測りかねて困惑する声が続出。自民党は格好の攻撃材料とみて政権担当能力に疑問を呈している。≫

 
 数日前、麻生首相アメリカを訪問したが「外国首脳の中で一番先に呼んでくれた」と舞い上がっていた。 さらに「日米は最も重要なパートナー」と言われて、無邪気にもドル体制の維持に全面協力すると約束したが、これは大量の米国債を購入しますよと約束をしたのと同じことである。 
 本来なら現在の日本の経済事情にとってとてもそんな余裕がない、と言ってはっきりと拒絶すべきところをそれが出来なかったのである。世界を見回してもこのような外交を取り続けている国はない。
 同じようにこれまでアメリカ国債を最大買っている中国があるが、今後アメリカ国債を買い増すことに否定的な明言している。 万一中国が今後言をひるがえして買うにしても、アメリカから何らかの国益にかなう大きな妥協や譲歩を引き出した上でのことだろうと思う。 それが国際外交であり、国家間の政治的な取引というものなのだ。
 この問題、すなわち今後日本の進路をアメリカにこれまでと同様に従属していくか、それとも独自の路線を打ち立てて対等な立場の国として進むかとの選択肢ということだが、これは今後の日本の政界再編の最も重要な軸になると思う。 政治家個人がそれぞれどちらかの方針の下に再編される最重要な軸ということである。 革新と保守を分ける軸はいろいろあるが、小さな政府の選択や経済への国家の介入などでは日本では両者ともはっきりした争点になっていかない。 がこの点を軸に政治的選択をせまれば、現在の日本の民主党でも自民党内でも二つに割れて新しい集団が出来るのは間違いない。 しかし本音のところでは現在両者の幹部にはそれをするだけの決断はないだろう。 選挙後になるかもしれないが、今後の小沢氏の出方が注目されるところだ。