ネズミ講

 もう今日は点滴を入れない、とオフ様はのたもうた。
 三時過ぎ入浴のために点滴のチューブを外してもらった。 入浴の後それを繋いだが点滴が落ちない。注射器で生理食塩水を注入したが針を刺している箇所が痛い(塞がってしまっている)ので中止となった。 こうなると違う箇所に新たに針を刺して再度点滴するしかない。 
 今日は日曜日なので当直の医師が来て針を刺したが、何と四回も失敗するというヘマをやってくれて、とうとう温厚な(?)オフ様も切れてしまって、もう今日は点滴を入れない!と宣言したのである。 先月の中頃から退院も近いというので首の血管からの点滴を止めて、腕に点滴の針を刺して入れることを繰り返してきて、かなり血管が痛んできているのは事実である。 しかしダイコンやニンジンじゃあるまいし針を刺されるのは生身の人間なのだ。 しかも刺す時にうまく血管を捉え切れないと、針の先を動かして無理にでも血管に刺そうとするので、さらに痛みが何倍も増してしまう。 主治医は日曜日で休みだし、当直の看護師たちはオロオロして入れ替わりベッドサイドへ来て点滴をするようにと説得を繰り返すのだが、今日もうこれ以上針一本も刺させない、と言い張ってみんな追い返した。 たしかにわがままな患者は困り者であるが、世の中にはもっと悪い奴がいるのである。
 今日のニュースに<米ナスダック元会長、逮捕 詐欺容疑、被害4.5兆円>というのがあった。

 http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008121401000040.html
 マドフ容疑者は運営するファンドで多額の損失を抱えていたが、好調さを装いながら新規の投資家から資金を集め、配当や解約金の支払いに充てていた疑い。同容疑者は自ら「実体は大規模な『ねずみ講』」などと認識していたとされる。
 何時頃だったか忘れてしまったがオフも前の日記の中で、資本主義というのはアメリカが胴元のネズミ講みたいなものじゃないか、半分揶揄的に書いた事があるが、この間の金融破綻を見ているとその通りだったなぁという思いを強くした。 今回の金融不安を結局は国民の税金を継ぎ込んで一旦は破綻を抑え込んだようだが・・・まだまだ、ドルが大暴落して破綻する不安からは抜け切れていないはずである。 しかし、こちらの事件はやっている本人も認める通りリスクを先送りするだけで、いずれは破綻するネズミ講そのものだったようだ。
 今では少し古いニュースになるのだが、今年の九月にリーマンブラザーズが破綻する少し前にこのようなニュースもあったのだった。
 米連邦規制当局によると、米シティグループ流動性リスクが生じているにもかかわらず同社金融商品を安全であるとして投資家らに販売していたとして規制当局から調査を受けていた。同社はABSを損失のため売却した投資家らへの返還にも同意している。シティグループはさらにニューヨーク州と北米証券管理協会に5千万ドルの罰金を支払うことになるという。米証券取引委員会(SEC)もシティグループに罰金を課すことを考慮しているという。 シティグループだけでなく、バンカメやメリルリンチも同様のやり口をしていたとある。
 http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080808/22042.html