社会主義

 いよいよ今日で外泊は終わりになる。 今回は三泊四日とこれまでで一番長い間外泊が出来て本当に良かった。 もう病院へは戻りたくないのだが、そうは行かない。 でもこのままの状態が続けば来月はじめから来年初めまで一時退院ということもあるだろうと思う。 

 20世紀に入ってロシアで革命が起こり、それまでの帝政が廃止されソ連という社会主義の国家が誕生した。 それから四分の三世紀の後ソ連は内部崩壊して再びロシアという国に戻った。 ソ連は建前では国民皆平等とされていて、経済的には国家主導で計画経済政策を採用し、徹底的な国家管理経済政策を取った。 また平等を建前に掲げ国民の基本的な生活費用などはできるだけ安く押さえる政策も採用していた。
 崩壊した原因は官僚(公務員)は自分がどれだけ働いても結果は平等で同じでは働く意欲を低下してしまい、そんな公務員を動かすのに賄賂がなくては動かない社会になったいったことや、統制を重んじるために国家による国民を監視するシステムが張り巡らされ自由な行動や発想がでない息詰まる社会となって内部崩壊していったなどなど色々分析されている。  また、後進の社会主義国への経済援助や、資本主義社会との絶え間ない代理戦争などがなければもう少しマシな社会を築けていたと思うが、いずれにしろ理想の国家を建設しようとしたが内部崩壊してしまった。
 
   一方、資本主義社会では市場に非効率性や不安定性が存在するのは、神の見えざる手の動きを妨害する規制があるからで、その規制を排除すれば市場原理に従って理想状態に近づくという市場原理主義の考えが徐々に支配的になっていた。 その市場原理主義政策の下で繁栄を謳歌していたかに見えていたが、社会主義の崩壊から二十年も経っていない今金融主導経済も今回もろくも崩れ去った。 世界経済はこの先新たなイノベーションが出て来ない限り最低10年ほどのスパンで不況が続くだろうとオフは見ている。

 今後起こるだろうことでオフが一番心配することは、世界がブロック化することである。 経済のグローバル化そのものは世界の流れであって、それを無理に押しとでめてはならない。 最終的に国家というものを無化する第一歩が経済のグローバル化であると考えるからであるが・・・ そのためにもIMFの強化、ただし現在のようなアメリカ主導型のIMFではなくもっと幅の広い視野と強い権限をを持った組織に脱皮することが条件である。
 いずれにしろ次期アメリカのオバマ政権の政策や動向が世界の今後の流れを決める鍵を握っていると考える。