選挙のたびに

 金曜日一万台あった白血球が今朝の採血の結果出て九百に下がっていた。 グランという薬を止めたらこの結果である。 薬の力で上がっていただけで、自力ではまだまだこの程度の回復力しかでないということだ。 今日からまた少量のグランの注射が始まる。
 今日から部屋替えになって、ふたたび四人部屋に戻された。 いろいろ不都合が多くなるがいたしかたない。
 
 数日前、田舎の友人から以下のようなメールが届いていた。

  ≪**市は 16日投票の市長選、市議会選でごったがえしています。
当方も壮年会ハシリのため!!明日1日、ミズ知らずの爺さんの応援です。
 「お願いします!お願いします!お願いします!」 などと応援カーで、叫び廻っていますが、
だれが何にを、主張してるかも、わかりません?

 立候補者を、一同に集めての演説会や、過去の市議会での実績などを、ローカルTVで流すとか、
全員の立会い演説会を、開くとか? もっとましな方法を、そろそろ行ってもいい時期ではないか
と思っている今日この頃です。≫

 選挙が始まると日本全国どこででも見られる風景である。  必勝と書かれた鉢巻をした運動員がスピーカー付きの車を連らねて「お願いします〜」を連呼して走っていく。
 オフの田舎では部落のまとまりがよく、決起集会などでは選挙事務所には部落の全員が顔を揃える。 オフはかってそんな選挙運動には参加しない、と宣言して参加を拒んだ。 さっそく部落の責任者二人が飛んできて、例えどうであろうと顔だけは出して欲しいと頼まれるわ、顔を出さないのはお宅の家だけだ、やんわりと脅されるわ・・・さらに翌日立候補者本人が、なにとぞよろしくお願いします、と玄関までお願いに来る始末である。
 また、いろんな立候補者から投票のお願いの電話が頻繁にかかってくるのにも閉口する。またある日咄嗟に、お願いの電話が2度以上かかった候補者には投票しないことに決めましたのでよろしくお願いしますと事務的に答えた。この手はてきめんに効果があり、選挙中オフの家に投票のお願いの電話はぱったりとやんでしまった。恐らく日本全国で選挙のために行われている行事のような光景だが、これが日本の民主主義の本当の根幹であり正体である。
 
オフは部落の中でもその他でも変わり者というレッテルを張られているが、一旦変わり者とレッテルを張られてしまうと、後は大変気楽なものである。