秋の日

 昨日の夜辺りから食欲が少し出てきた。まずおかずの匂いをかいでもむっとしなくなった。相変わらずお粥を食べているが、それだけではお腹が空くのでバナナ・リンゴ・なし・柿などの果物を食べて埋め合わせている。ところが今日看護師さんに「果物をたくさん食べているのですか」と訊かれた。「何で?」と思ったが、今朝採血した血液の中にカリウムが沢山含まれていたそうだ。カリウムは果物等をたくさんとると血液中に一時的に増えるらしい。小便さえ出ていれば余分なものは徐々に排泄されていくという事だ。
 すっかり秋らしくなったが、今日は日中の温度も上がり夏日になった。病室も暑くクーラーをかけていた。病室の窓からはわずかな田んぼが見えるのだが、その田んぼの稲も稲刈りが終わってしまっている。何日か前に赤とんぼが多数窓の外に飛んでいたが昨日、今日は一匹も姿が見えない。田舎ではコスモスの花が見頃になっている事だろう。澄んだ青い空を背景にコスモスの花が風に揺れているのを見ると、どこでもいいからどこか遠くへ行きたいとよく思ったものだ。

 金融不安による影響が実体経済にも表れてきて、アメリカではビ
ックスリーと言われたGM・フォード・クライスラーの存続が危なくなっているという。GMクライスラーは、合併の話が出ており、フォードは資金繰りのためにマツダの株を売却するという。公的資金の導入で倒産の連鎖による大恐慌はとりあえず免れたが、今後は実体経済の方に影響が出てくる。オフは、最低でも世界経済は10年くらいのスパンで不況期に入ると思う。株や不動産投資や債権などアメリカに集中していた資金がその間に徐々にアメリカを見捨て世界に分散されるのは間違いない。経済成長が鈍り、なんとなく重くるしい気分の不況は楽しいものではないが、新興国は別として先進諸国が低成長になるのはむしろ正常化であり、悪い事とは思っていない。ただ、そういう低成長不景気をよしとしないで下手に政治的経済的動きを起こすとかえって悪い結果になるぐらいに考えておいた方がいい。最近は世界的にも紛争やテロが減少傾向にあり、それだけでも人類は大きな得をしたという風に考えるべきだ。