末梢血採取

 今日、9時半前に大型冷蔵庫ほどある機械が部屋に運び込まれ、末梢血採取の準備が始まった。まず、身体から血の取り入れ口を作り、その機械を通して再び身体に戻す「戻し口」を作ることから始まる。血の採取口は右足の付け根の股の所に決まった。そこへ太い注射針を刺してそこから血を抜くわけだ。もちろん、痛いので麻酔をして行う。ところが、その麻酔の途中で「どうも右側はやりにくいので左側に変えようと思う」と先生が言った。怖くて身体がガチガチになっていたのだが、それを聞いて「もう一度やり直しか」と思い、力が抜けた。もう一人の少し若い先生が来て「私がやってみます」と言って再び右足の付け根に麻酔をかけ始めた。オフの場合、静脈と動脈がわりと近い位置にあって動脈に針を刺してしまうと大変な事になるので、長い時間をかけて少しずつ麻酔が打たれた。浅いところは麻酔が効いてきたが、深い所に麻酔を打つ時はかなり痛かった。最後に注射針を刺す時は、その麻酔が効いていてあまり感覚がなかった。今度は採取した血を機械を通して体内に戻すのだが、こちらは右腕の手首のところにやはり太い注射針を刺した。そして血液を抜き、機械を通して血液の中の幹細胞を取り、残りの血液を体内に戻すという作業が約3時間続いた。血液が取られ戻されている間は身体が寒くなり布団をいくらかけても寒さは続いた。3時間の間、身体を動かしたり出来ないので、かなり身体が硬直して辛かった。終了少し前くらいから唇周辺が痺れ始めた。これは、血液内のカルシウムが不足してきた結果であり、この治療の副作用の一つである。一連の治療が終わったのは14時だった。これらの抜いた血液は、冷凍保存され後日抗ガン剤と共に2回に分けて体内に戻される。その2回分の量がきっちりと取れていればこれで終わるのだが、もし不足している場合は明日もう一度行うという。不足していないことを祈るばかりだ。