帰る

 外泊期間が終わり、昨夜八時に病院へ戻ってきた。 車から降りる時は土砂降りで嫁さんの小さな傘をさしていたがかなり濡れてしまった。
 病室が個室という事もあって、病院へ戻るのにはさして抵抗はなかったし、今は規則正しい病院での生活がかえって好ましく思えるくらいになっている。
 明後日から三度目の抗がん剤の投与が始まる。 これまではVAD療法と言われて抗生物質ステロイドアルカロイドを組み合わせて点滴したが、今度はエンドキサンという抗がん剤を使う。 抗がん剤によるまたあの不快感の時期を潜り抜けなくてはならないのか、と思うだけで少し憂鬱になる。 この治療が終わってから自家末梢血幹細胞移植に備えて末梢血の採取に入ることになる。

 ところがここへ来てまた別の大きな問題が起きている。 オフには直接かかわりがないことだが、嫁さんの母親に乳癌が見つかったのだ。  
 先週予約を取ってガンセンターで診察を受けたが、来月1日入院、3日に手術という事になった。 年齢が高齢(86歳)ということもあり心臓周辺に動脈硬化などの個所もあり、さらに糖尿病で認知症でもある。 今週にもう一度の検査の結果次第では手術取りやめ、という事になるかもしれない。 病人がさらに病気になるという老人にはよくある話だが・・・とにかく嫁さんが大変である。 たまたまオフと同じガンセンターへ入院という事が唯一ありがたい点だが・・・嫁さんの上の兄貴の娘が、嫁に行って東京に住んでいるのだが、しばらく手伝いに来てくれることになった。 オフの方も娘が月末にまた来てくれる。