医療費、便秘

 相変わらず暑い日が続いている。体調はイマイチで食欲も細ってきていて、そのせいか体がだるいのでベットで横になっていることが多い。田舎の友人から小茄子と少しの野菜が送られてきた。野菜は家庭菜園で採れたもので、小茄子は即売所で買ったものらしい。小茄子はよくスーパーなどで茄子の芥子漬けなどとして売られているあのサイズの茄子である。この小茄子を塩漬けにして食べると美味しい。記憶では小茄子は秋口に売られていたと思っていたが、真夏の7月中に売りに出されているとは驚きで、それだけ需要が多くなってきているということかも知れない。茄子は昔から盛夏が過ぎて朝晩が涼しくなって、昼夜の温度差が大きくなる秋茄子が美味しいとされている。いずれにしろ小茄子を長い期間食べれるようになったわけだ。残念ながらこの小茄子はここ関西のスーパーなどで売っているのを一度も見たことがない。まあ家庭で漬物などをあまりやらない時代だし、今更売り出してもさして売れないのかもしれない。

 病院から電話があり、出ると担当の医師からであった。今月末から抗がん剤サリドマイドからレナリドミドに代わるのですが、すでに病院へは薬は入ってきていますが、この薬の値段がかなり高いんですよ、という事である。聞くと一錠が8000円以上すると言うのだ。たしかに高い薬だなぁと思ったが、医師が言うには、その薬を一日5錠も飲むのだと言う。 エエッ〜!である。そんな高い薬を毎日飲んで一ヶ月飲み続けると一体幾らになるんだ?である。 もちろん保険制度には高額医療の還付というのがあって、毎月の医療費が26000円を超えた場合、申請すれば超えた額が後日戻ってくるので、どれだけ高くても当方の懐具合としては同じこととなるのだが・・・。一時払いにしろそれだけのお金を窓口に支払わねばならない。さいわいその辺のところは何とかなると思うが、預貯金のあまりない人などはこの薬は使えないことになるだろう。 しかし、三割の保険が利いてこの値段だから、途方もなく高い薬である。
 現在日本人が生涯にわたって使う医療費の7割から8割が亡くなる前の数年間に使われると言われている。高齢化などとは関係なくガンなどの大病に罹患すると、入院して高度の最新治療を受けて亡くなる人がそれだけ多いからだろう。これを少し皮肉を込めて言わせてもらえば、われわれは亡くなる前に大金を使って亡くなっているのだと・・・。最近は医療器械や医療技術、最新の薬など日進月歩の速さでで開発されているが、そのように医療が進めば進むほどこの傾向はさらに強まり、高額医療もおそらく見直さなければやっていけない時が来るだろう。オフの場合病気が顕在化して二年、その間何度も入退院を繰り返してきたし、使われた抗がん剤も決して安くなかった。これまで40年ほど支払ってきた社会保険や国民保険の総額を医療費がはるかに超えているのは間違いないだろう。しかし年金となると、厚生年金、国民年金を40年間滞りなく支払ってきているが、こちらはほんの少ししか戻らないことになりそうである。保険や年金は本来相互扶助のものだから、この40年間日々安心して生きてこれたことを思えば、それだけでも大きな心のメリットを受け取っている。この問題をたんに生涯のお金の損得だけで論じたり批判する人がいるが、そういう人の言うことはどこか信用できない。
 これはサリドマイドの副作用なんだが、便秘が段々ひどくなってきている。もともとオフは便通はよいほうで、たまたま一日出ないことががあっても、翌日にはたいてい出ていた。便通を促す薬も処方されていて飲んでいたので、なんとか毎日出ていたのだが、ここ四日間完全にとまってしまった。 嫁さんが持っていたダイオウ、センナ末という薬も飲んだがダメである。お腹が張っていて食欲もあまりなく、今朝などせっかく作った卵粥をほとんど残してしまった。長年看護婦をしていた嫁さんが、観念しなさい今日浣腸するわよ、と宣言する。 浣腸なぁ・・・アダルトビデオなどでは何度か興味深々で見たこともあったが、いざ自分がそれをされるとなると、怖いわけではないが何だか急に気弱になってしまう。 ビデオで見たようなイチジク浣腸や、針が着いてない大きな注射器でグリセリンをお尻の穴へ注入するのかと思っていたら、浣腸セットというのがあって、父親用に病院からもらっていたモノだそうである。注射もあまりうれしいものではないが、たとえそこにある穴に入れるだけにしても気持ちが引いてしまう。嫁さんが言うには男の人は浣腸をすると言うと怖がる人が結構いるという。普段から入れる側だけをやっているからだろうか(笑)