紅梅

 足の痺れや痛みがかなり強く出てきている。 また下痢や消化不良も相変わらず続いていて身体がだるい。 今日予定されていた6クール3回目の点滴をドタキャンした。 体調が悪いところへこれ以上毒素を入れてさらに悪くなるのを耐えるような気分ではない。
 この間数ヶ月で体内に入れて蓄積されてきた毒素がある値を超えて、その後遺症が出てきているという感じかな。 今後は抗がん剤の点滴を一切止めて、毒素を身体から抜きたいと思うが、再発のリスクがある以上そうは行かないのだろう。
 自分で食事の用意、お粥を作ったり簡単な料理をしたりする以外はベッドに横になって、面白くもない映画などをTVでボンヤリ見たりしているが、いつの間にかウトウトしてしまう。 足の先が燃えるように熱く感じて目が覚めたり、神経痛のピクピクする鋭い刺すような痛みで目が覚めたりする。  
 これがさらに高じてくるとやむなく痛止めを使うことになるのだろうが・・・前に骨の破壊が進み胸骨などに激しい痛みが出ていた時に使ったテープ式のオキシコンチンなどを使うことになるだろうが、それはそれでまたいろいろ副作用が追加されることになる。 
 がん治療としては間違いなく少しずつ末期に近づいている。 少し怖いのだが・・・再発するのは仕方ないとして・・・抗がん剤を一切止めてしまう手もあることはあるのだ。 まあ、いずれ抗がん剤の副作用と取るか、癌の進行を取るか、という選択も迫られてもいることになるだろう。

 マンションの外階段の二階の踊り場の先に梅が咲いている。 つややかな紅梅であり、凛としている。
 まだ啓蟄には少し日があるので蜜を求めて虫などは飛んできていないが・・・そういえば梅には実が成るのと成らないのがある。 実が成らない種は別に受粉などは必要ないのだろうか・・・

 大寒が過ぎると、立春、雨水、啓蟄・・・暦の二十四節季であるが、北陸の田舎にいた頃は、二月の初めにもう立春て何だ?という感じだったが、関西の地に住むとなるほど、なるほど・・・日々のなかで二十四節季の暦は直に感じ取れるものなのである。
 今アメダスで調べてみたら、田舎では積雪がまだ数センチと残っているようだ。 まあ、暖かくなったと言ってもまだ二月だからなぁ・・・平成に入ってから積雪量はグ〜ンと減ってしまったが、昭和の頃は田舎では3月のお彼岸の頃になってようやく田んぼの雪も消える頃だった。 それだけ暗く長い冬が去り、雪の下から地に生える緑色の草々を見出した時の喜びはひとしおのものがあった。
 あの喜びは暖かい地に育った人には分からない喜びだろうと思うよ・・・と言うと、まだまだよ、この先関西でも三月に入って東大寺のお水取りがある頃に<寒の戻り>で、とても寒い夜があるのよ・・・と嫁さんは言っている。 そう言えば桜の季節にも<花冷え>という言葉があるしなぁ・・・