喜ぶのも・・・

 昨日採血した結果が今夜出ると訊いていたので期待して待っていたのだが、何のことはない主治医の医師が夕方に帰ってしまい、結果が分かるのは明日に持ち越されてしまった。 採血の結果、ウイルス感染が先週に引き続き陰性と出ていれば、この週末退院となったはずである。
 退院といってもあくまで一時退院で、来年の三月ぐらいには第二回目の自家移植のため一月半ほどの期間再入院となる予定である。 そこまで時間をあけるのは、まだまだオフにもう一度自家移植を受けるだけの体力が戻っていないからである。 一時退院となっても次の入院まで出来るだけ体力を回復させねばならない。 まだまだ食欲がなく普通の人の半分ぐらい食べるのがやっとである。 最近は食事前や後にスッパイ唾液が出て来て口の中が酸かったり、突然口の中が苦くなったりするようなおかしなことが続いている。 また、胃を手術した人のように一回の食事時に食べれる量がかなり少ないので、食事を日に5回ぐらいに増やして何とか食べる量を増やそうと思っている。
 現在四人部屋で過ごしているのだが、オフのベッドの向かい側にいる人は入院生活がかなり長くて、もう歩けない、食べれない状態が続いていてここのところ日に日に弱ってきている。 白血病で骨髄移植を受けたらしいのだが、その予後が悪いらしい。 何かの拒絶反応でも出たのだろうか? そのへんのところはよく分からないが・・・この先長くないのではないか・・・と思われる。
 また横のベッドで寝ている人はかなりのおじいさんと思っていたが、オフより何歳か若いらしい。 この方も顔色がどす黒くたチョイと目には70歳ぐらいに見える。 家庭の事情が色々あるらしく、先日息子さんらしき人が来ていたが、お金を使い過ぎるときつく叱られていた。 看護婦さんに漏らしていたところによると、週の小遣いが千円ほどらしくて、それを二日経ったところで二百五十円ほどしか残したいない、と叱られていたようだ。 そんな中にあって、看護婦さんなどから退院して嬉しいだろう、とか帰ったら何をするの?などと訊かれるが、喜ぶ素振りを見せるのもまわりに悪いような気がして、とにかく静かに笑うだけにしている。