山荘の雪囲い

 十一月最後の日曜日の今日、田舎の友人達三人でオフの山荘の雪囲い仕事をやってくれた。 今年の夏、病床についてからずっと気になっていた事の一つがこの雪囲いであったが、友人たちの手伝いで無事終わりホッとしている。 普段ならオフの半日仕事なのだが、お昼前からはじめて二時間余りで終えたみたいだ。 やはり仕事は大勢だなぁ。

 この山荘はオフが前の仕事を辞めた後、古い山の農家を家だけ持主から譲ってもらって、約4年間かけて解体改修した家である。 毎年1〜2mの雪が積もる所なので11月から3月までは仕事はしなかったが、たった一人の作業だったので完成するまで4年の歳月がかかった。
 まず大工さんに梁と柱を残して残り全部、屋根・天井・床・等を解体してもらった。基礎部分は置き石だったので、かなりの狂いが出ていて家全体を曳き屋にジャッキアップしてもらい、コンクリートで布基礎をしてそこへ下ろした。屋根は全部剥がして、板金屋を頼んで新たにガリリュウムの一文字葺きにした。 大工さんに必要な材料を見積もってもらい注文を出して、そこからの仕事はオフが全部一人で進めた。
 まず、梁と柱にこびり付いた煤を剥がし、水で薄めた苛性ソーダ液で何度か拭いて、その後梁は黒、柱はダークブラウンに木材保護塗料を二、三回塗った。天井部分を葺くことから始めたが、梁の位置が普通の天井より四尺(120センチ)高いので天井はかなり高い位置となった。古い梁の上に相シャクリした幅広の杉材を敷いた。梁の高さが微妙に一定していないので、板を水平に張るのに苦労した。
 次に床を張ったが、広間・台所・廊下等の床は一寸(3cm)のムクのパイン材を使って張って、それにも塗装した。
 壁は新たに柱にヌキを通し、そこへ外壁にはシーシングボードを張り、その上にアスファルトシートとメタルラスを張り、そこへモルタルを塗った。さらに中塗りとして漆喰と砂を混ぜたものを塗り、最後に漆喰塗りで仕上げた。なお外壁の下部には下見板を張った。 内壁はヌキに石膏ボードを張りその上に下塗りとしてプラスターを塗り、中塗に砂プラスターを塗り、最後に漆喰を塗って仕上げた。また、奥の座敷などは上塗り材として漆喰の代わりに珪藻土を塗った。
 家の三分の一ある土間は三和土(たたき)にした。三和土(たたき)というのは、赤土と石灰を混ぜてそこへニガリ水(塩化マグネシウム)を撒いて叩き固めて作る。風呂はネットで検索して広島県から五右衛門風呂を取り寄せて設置して、セメントや漆喰、テラコッタタイルなどで作り、薪で焚いて沸かす。便所はカナダ製のバイオ式トイレで微生物で便を無機化して肥料にするトイレである。自分なりにいろいろこだわって改装した家である。ここで老後を年金プラス畑をして自足生活で過ごすつもりだった。ところが人の人生は思うようにはいかないものである。

 この続きは明日また・・・