先進国のデフレ

 今日はここ数日の中では一番落ち着いた状態で過ごしている。この状態が今日・明日と続けば今週末外泊の許可が出ることもある。まだ白血球が低いのでその数値がどこまで上がるかによるが、もし外泊となれば大きな気分転換になると思うのでこの状態が続いてくれるのを祈るばかりだ。

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081120AT2M1903419112008.html

 今日のニュースの中に以上のようなものがあった。サブプライムローン問題に端を発したアメリカの金融不安でいくつかの金融機関が行き詰ったが、いよいよそれの結果が実体経済の方に数値として出てきたというニュースである。どうやらインフレ懸念は当面遠のいたものの、逆に信用収縮によるデフレの兆候が出てきている。こういう時にアメリカ人といえども借金してまで投資して利益を上げようとする人達は少ないのだろう。オフの予感ではこのデフレはヨーロッパに波及し、主要先進国全体に広がると思う。日本ではいまだにデフレからも脱却が出来ず超低金利政策を取らざるを得ない状況が十数年続いている。第二次世界大戦後初めての世界的なデフレがいよいよ始まるのである。
 かつてアメリカのルーズベルト大統領は1930年代のデフレに経済学者ケインズの政策論を取り入れて、政府主導による公共投資を増大し、市場のマネーサプライを増やして大恐慌の後のデフレ不況を乗り切った。しかし、その後大幅に増えた財政赤字アメリカ政府は悩まされることになってしまった。ケインズ経済学も大弱点があったのだ。しかしこの政策はその後アメリカの民主党の大統領によって何度も採用されることになった。現在アメリカのビック3と言われる自動車産業が大きな打撃を受け、下手をすれば全滅する事もありうる状態である。これに対してアメリカ政府は援助を拒んでいるが、次期大統領氏のオバマ氏はこの問題で対抗馬だった共和党のマケイン氏に協力を申し込んだりしてなんらかの救済策を打ち出そうとしている。オフの考えでは、アメリカの財政赤字を増大させるだけでこの救済策は失敗するだろうと思う。日本においてはデフレの期間中何度も経済刺激策として公共事業の投資等を打ったが何の効果もなかった。そのつけとして現在700兆円以上の財政赤字が残っただけである。むしろ財政政策で不況を乗り切ろうとするのだったら今後必要とされる分野での新しいイノベーション(技術革新)が生まれる可能性に 集中的に投資すべきだろうと思う。なぜなら人の気持ちが萎縮している時にはそれを払拭すれだけの期待だけが人々の気持ちを前向きにさせる事が出来るのだから・・・ところが、環境とエネルギー分野ではブッシュ大統領が誤った政策でアメリカは10年以上世界に技術的に遅れてしまっている。それでも過日IBMが、現在のパネルの設置方式とは違って太陽光発電の光の集中発電技術の第一歩のメドがついたと発表したというニュースがあった。まだまだイノベーションにおけるアメリカの底力には侮れないものがある。