始めるにあたって

第2回目の抗がん剤の点滴が8月29日に始まり、9月1日に終わった。
その間、並行してステロイドの点滴も同時に行われた。ステロイドの点滴が終わると同時に、不快な気分が出てきて、吐き気やむかつきが始まり、1回目の点滴の時は3日間程かなり激しく続いた。
今回は、それよりも少し長く5日間続き、昨日7日からようやく物も食べられるようになった。
抗がん剤の点滴は3週間で1サイクルであるので、次回の点滴までこの後約10日間ほど楽な状態が続くことになる。その間に下がっていった白血球が徐々に上がり身体が安定してくるのを待つわけだ。
最初2回〜4回の抗がん剤の点滴が予定されていたが、うまくいけば2回で終了となる見通しも出てきている。今後の白血球と赤血球(正確にはグロブリンアルブミン)との比の割合が良くなるのをもって判定するらしい。
オフの病気は形質細胞と呼ばれるグロブリンが異常に増えてがん化する事で始まる。
腫瘍化した形質細胞は骨の破壊を始めるので、MRやCTで撮った画像では骨の中心部が溶け出してしまっていていっぱい穴があいている状態になっていた。

骨の痛みは筋肉の痛みとなって表れ、今は体に張られた痛み止めの麻薬オキノコンチンが効いているので、その痛みはかなり減っている。
うまくいけばこのまま抗がん剤の投与は2回で終わり、次の治療法――自己末梢血 骨髄移植が3カ月に2回予定されることになる。その途中では一時退院も出来るようになるらしい。病気の進行が早かった分、治療にかかってからは回復も少し早いような気がしている。
だいたい以上で今回の入院はいったん終了し、再びがん化した形質細胞(ガンマグロブリン)が増えてくるのを見つめる期間になる。その期間が一般的には約3〜4年である。そして、それが増えてきた場合、最近ニュースになっているサリドマイドやベルケードという薬の投与治療が始まることになる。その治療が合う人と合わない人がいて、合わない人はその後、長生きできない。
合う人の場合は、数年〜10年くらいの命の余裕が与えられる事になるらしい。

強がりではなく、死ぬ事にはさほど不安や恐怖感はないが周りで見てくれている人たちのことを思うと、少しでも長生きしようと思うようになった。(当然だが、望みのない延命ではなくて)

これまでの50歳からの10年間は自分でもある程度思うように生きてきたがこれからもそれを続けていこうと思う。

いずれブログを再開することになるが、治療してもらいながら、現在の医療への根本的な批判を書いていきたいと思っている。
これからが余生だとしても、おそらく本を読んだりブログを書いたりする日々を過ごすことになるだろうとぼんやり思っている。